学年部長 挨拶


 中高一貫第4期生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは、本日を以て、中学校の義務教育課程を無事終了いたしました。 振り返ってみますと、この3年間は皆さんにとって、大変有意義な期間ではなかったかと思います。 平和学習をはじめとして、サマーキャンプやウィンターキャンプ、そして何より他校では経験できないアジアとアメリカへの海外研修旅行を体験しました。
 いや、それだけではなく学習面でも先取り学習が行われ、毎日課題や天声人語と盛りだくさんの経験をしてきたと思います。 これらの経験はいわば基礎的なものです。今後の3年間、それ以上先の、皆さんの人生をも活かすためのものでした。これらの経験から多くのことを体感し、感動を覚え、さまざまなことを学んできたことだと思います。その感動や体験から、新たなことが目標となって心に浮かんだ人も多いかと思います。
 入学当初に皆さんが手にしたPMノートに書いた夢とは違う新しい夢や目標が浮かんだ人がいるのではないでしょうか。その夢や目標をこの数日の間に、新しいPMノートに書き直して下さい。経験や感動を経て、夢や目標は変わります。変わってかまわないと思います。その夢や目標を修正しながら前進していくことも大切ではないでしょうか。
 皆さんが書き直した夢や目標こそが、これからの3年間を有意義に過ごす力となることだろうと思います。

 ある作家がその作品の中で、「人が心に思うことは、誰にも止められない。」と書いています。あなた方一人一人が自分の心に刻んだ夢や目標は、他の誰のものでもありません。例え、他の人にとってはばかばかしいものであっても、たとえそれが、かなえられそうにない目標や夢であろうとも、あなた方自身の夢であり目標である以上、他人の思わくなどにとらわれる必要はありません。「人が心に思い描くことは誰にもとめられない。」のです。その夢や思い描いた目標を、是非かなえて欲しいものだと思います。そのために、一歩踏み出して下さい。その一歩の踏み出しが、次の一歩を作ります。思い描くことから、実行する事へと踏み出して下さい。高校課程へ向かうということは、そういう一歩であるになるにちがいありません。そして、社会に出て、自分の夢や目標が現実となるよう努めて貰いたいと思います。
 私がひとつ望むのは、皆さんの夢や目標が、できうるならば、自分を豊かにするばかりではなく、人を幸福に導き、喜びを与えるものであることを願ってやみません。皆さんの今後の活躍をお祈りしています。
この学園での私の最後の仕事が、皆さんを高校へと送り出す卒業式であったことを誇りに思います。そして、この場にいてくれる皆さんに心から感謝します。ありがとう。そして、おめでとう。  


2010年3月19日 学年部長 須藤 孝之