学園長訓話


 先生の席替えはいつだと思いますか?知っている人いますか?手を挙げてごらん。3月29日に教員は引っ越しをします。職員室の席替えがあるわけです。ということはどういうことかというと、3月29日までは担任の先生は、みんなの担任だということです。いいですか。今日が終わったら担任の先生とはもう縁が切れるという、そういう発想はやめた方がいいです。3月29日までは、担任はまだ担任だから。困ったことがあったら、担任の先生に電話かメールで相談しましょう。

 明日から春休みです。春休みは何日あるか。14日間あるんです。2週間休みがあります。で、2週間の休みのうち、3月29日から4月2日までの5日間、この間は、遊んでもいいと思う。休んでもいいと思う。ところが、そうじゃない春休みの間に諸君らは、遊ぼうと思っているかもしれないけど。遊んだら損ですよ。春休みに休んだらダメです。それを、僕は言いたい。

 なんで損か。1日休んだら取り返すのに1日かかります。2日休んだら、取り返すのに2日かかるんです。1週間休んだら、取り返すのに1週間かかります。2週間休んだら取り返すのに2週間。
 つまり、どういうことか。春休みを遊ぶと4月15日までは、調子が戻らないということです。この春のスタートの大切な時に、一か月ハンディキャップがついてブランクになってしまったら損でしょ。もったいないと思いませんか。だから僕は、諸君らにお願いしたい。担任の席替えがある29日から、4月2日までは遊んでいい。でも、それ以外の日は「勉強のような遊び」、「遊びのような勉強」をしてほしいと思います。

 「遊びのような勉強」とはなにか。
 それはですね、諸君らの得意な科目があるでしょ。理科だけは得意、国語は得意教科、社会は任せとけ…。諸君らは、得意とする科目を2つ選んで。だいたい得意な科目ってね1つだけじゃないですね。数学と理科、国語と社会、音楽と美術とか、得意とする科目を2つ選んで、これをね、「大得意」にしてほしいんです。80点取っているんだったら、100点とれるように。90点だったら100点ね。得意な科目を2つ大得意にしてほしい。
 それから、普通の科目を1つね、好きになってほしいです。それで、それを得意にしてほしい。だから、新しい得意な科目、新しいターゲットの科目を1つやって、普通をプラスにしてほしい。
 もうひとつ最後に、2週間もあるから。不得意な科目を、駄目な科目を普通にしてほしい。

 そうすると、合計するとどうなると思いますか。得意を大得意に2つ、普通を得意に1つ、駄目を普通に1つ。プラス4です。プラス4になると、どういう風な進歩になるか。2年生の学年部長に聞こうかな。「4科目勉強ができるようになった人ってどれくらいグレードアップするかね。たとえば今まで同志社に入れる人が京大を目指すには、科目上がったらどんなもんですかね。」(先生「同志社だったら10ポイント位、上です」)10ポイントくらい上…。とりあえず、春休みは4科目アップして、同志社から京大にいく途中ぐらいであると思います。

 もう一度、確認します。「得意」を「大得意」に2つ。これはね、遊びながら出来ますよ。なぜか。楽しいから。試験勉強でも、楽勝の科目の試験勉強なんて楽勝でしょ。テレビ見ながらやろうって感じでしょ。テレビ見ながら楽しく90点取れたらすごいよね。で、「普通」を「好き」になる。これは、ちょっと勉強したらできるよね。それで、「駄目」なのを「普通」にする。これは、ちょっと努力が必要です。

 駄目なのを、普通にするのに1番近道はなにか。それは友達に聞くということです。最高の仕上げとはなにかというと、人に教えるということです。人に教えることができたら100点というように教員の世界では言う。自分がまだ、本を読むだけというか授業を聞くだけでなく、聞いたことを人に教えることができて完成ということです。だから、遊びは楽しい遊びとして自分の得意なところをやるというそんな感じにしてほしいわけです。

 用意していた原稿を読んで話すというのはいつもやってるけど。久しぶりに諸君らと直接お話しできるから、メモをベースに生きた言葉で、学年部長のコメントも織り交ぜながら、今日はやってみました。ということで、終業式で学校は終わりますが、担任は29日まで、諸君らの担任だから、担任の先生に困ったらお話をして、無事に新しい年度を迎えてほしいと思います。
 終わります。春休み中の「楽しい勉強」をがんばって下さい。


2010年3月19日
須磨学園 学園長 西 和彦