学園長 訓話


  おはようございます。9月1日、秋になりました。夏休みも終わって今日から2学期が始まります。2学期は、9月10月11月12月と4か月あります。4か月というのは、1年の3分の1で120日あるわけです。120日といのは16週間。16週間あるということは授業も16回あると。授業というのは、理科の授業は16回あるということです。行事があったり、休みがあったりして、実は授業は2学期は10週しかありません。つまり16週間ある中で、10週間しか実質的に勉強する時間は残っていないということです。残りの6週間の行事について学校はその意義を認めて、学校として遠足とか体育祭とかいろんなことをしています。勉強する時間が10週間しかないということを思ったときに一瞬、冷や汗をかきました。夏休みを時間をうまく活かして、タイムマネジメントをしてうまく過ごしてほしいということを終業式のときにみなさんにお話をしましたが、この2学期の4か月を、10週間の授業を16週間の授業にするような気持ちで、ぜひ1分1分、1秒1秒を大切にして、時間を活かして過ごしてほしいなと思います。

 2つ目のお願いは、この2学期の始業式も放送で行っております。なぜか。それはインフルエンザの感染を恐れているからであります。たくさんの人が一つに集まるところで、必ず感染が起こる。諸君らが家を出てから学校に来るまでの、電車の中でインフルエンザをもらってくるかもしれない。
 諸君らにお願いが2つあります。
 ひとつはインフルエンザにかからない努力を本気でしてほしいということです。今日もみなさん方にプリントが配られる。どういうふうにしたら発病するのか、どういうふうにしたらその感染を予防することができるのか。学校はインフルエンザを危ないということを、かなりの早い段階で判断をして、保護者対象にインフルエンザの講演会とか、また何度も何度もそんなに言わなくてもいいとみんなが思うぐらい、風邪の対策をよびかけています。生徒会にインフルエンザの対策をするインフルエンザ対策委員があるのは、日本全国でも須磨学園ぐらいのものでしょう。私は、感染は努力をすれば、最少におさえることができると思います。それに何が必要か。それは一人ひとりのインフルエンザに対する正確な知識と、その知識に基づく行動です。それをみんなにぜひお願いしたいと思います。インフルエンザにかからない努力を、まずお願いします。
 それから次にですね、インフルエンザにかかってしまった人に対してですが、インフルエンザにかかることが別に罪でもなんでもありません。インフルエンザにかかったといってその人が悪いということではありません。でも、もし、自分がかかっているかもしれない、と思った時に、ぜひ、お願いしたいことがあります。それは、人にうつさないようにこころがけてほしいということです。家族の人にうつさない、お友達にうつさない、電車の中で乗っている人にうつさない。こういうことに関して、意識をもってそういうふうに実行してほしいと思います。
 学校が諸君らにどうしてほしいこうしてほしいということ、できることに、限界があります。学校はお医者ではありません。ですから、この薬を飲めとかあの薬を飲めとかはあくまでもお願い、あくまでもこういうふうにしてほしいというガイドラインとして提示することしかできません。そこがすこし手ぬるいなと思う部分もあるんですけれど。ひとつ、私が聞いたインフルエンザについて、非常にいいという対策をお話をしたいと思います。
 興味のある人は、インターネットで調べて、そういうサプリメントのことですけれども、実行して欲しいと思います。まず、一番に最近インフルエンザに効くといわれているのは、「免疫ミルク」といいます。これは、乳を出す牛が子供を産んだ後に、約1か月ぐらいでるミルクのことでありまして、この「免疫ミルク」というのは、非常に免疫を高くすることができるものです。インターネットをぜひ調べてもらうと、「免疫ミルク」はどういうふうにしたら手に入るのかということはすぐわかると思います。本当は学校がそれを買ってみなさんに配りたい。でもそれを学校ができない、という、そういうジレンマがあります。この「免疫ミルク」の効き方を2倍3倍にするのが、「免疫ミルク」と一緒に飲めばいいとされるビタミンAとビタミンCです。ビタミンAというのは、皮膚や粘膜を強くするという。あとビタミンCですけれども、諸君らビタミンCというのは、科学を好きな人は知っていると思うのですが、これはアスコルビン酸という物質であります。アスコルビン酸というのは、これは必ず他の物質と結合した形で、つまり、アスコルビン酸ナトリウムとかアスコルビン酸カルシウムという形で存在をしていて、それで、売られているビタミンCというのはアスコルビン酸ナトリウムがとても多いわけです。ビタミンCを買って飲むときに、安もののビタミンCだと、間違いなくそれはアスコルビン酸ナトリウムです。もし、余裕があるならば、アスコルビン酸ナトリウムをやめて、アスコルビン酸カルシウムを飲んでほしいと思います。薬局に行って、カルシウムのビタミンCを下さい、と言ったら薬剤師の方が「あんたよく知っていますね」と必ず言うと思います。この「免疫ミルク」とビタミンAとビタミンC、これがインフルエンザに効くというのは、インターネットで調べてもらえばはっきり出てくると思いますので、ぜひ、試してみてほしいなと思います。

 3番目にみんなにお願いしたいことですけれども、わたくしはかねがね、「夢は大きければ大きいほどいい」というふうに言ってきました。つまり「自分は医学部に行くんだ」「自分は国立大学に行くんだ」そういうことを思わない限り、行けない。「行けない」とあきらめてしまった人が、そういう医学部に、そういう国立大学に行けたことはありません。だから、とくにK3の諸君、V2の諸君、夢はできるだけ大きく持ってほしい。夢の結果として自分の周りで実現するいろんなこと、自分の周りでおこるいろんなことというのは、夢の大きさを超えることはないからです。私はずっとそういうことを言ってきた。私はそういう風に生きてきた。
 ところが、E判定しか出ないのに東大に行くと言ったらどうなるのか。絶対、合格しない大学を受けたらどうなるのか。これは絶対すべります。A判定、B判定ならば良いと思いますが、C判定でも良いと思いますが、絶対無理な受験を、夢は大きいほどいいからと言って、だから僕は東京大学を受けるのだ、京都大学を受けるのだ、と、そういうふうに考える人が中にはいるかもしれません。何が大切なのか。それは、夢を大きく持つと同時に、自分が全体の中でどういう立場にいるのかということを徹底的に調べて、その事実に正面から向き合うということではないかと思います。つまり「大きく夢を持つということ」と「自分の実力を正確に認識するということ」と、この2つを矛盾した現実、この矛盾の共存を自分の中で肯定すること、この矛盾の共存を自分の中で許すことが、我々人間に求められる最高の知性ではないかというふうに思います。
 思い違いをすれば、勘違いをすれば、現実を無視して夢ばかり語ると、どこかの政党のようになってしまいます。われわれは決してそういう風にはなりたくないと思うのです。

 ということで、3つのポイントについて、今日は2学期の初めにあたり、お願いをいたしました。 「時間を有効に使ってほしい。たった、10週しか授業がない」という事実と、 「インフルエンザがやってくるということ」、それから、 「夢を大きく持ちつつも、現実に対してしっかり認識をして生きていく」ということ、この3つをみんなに覚えてもらうために、今日は2学期の初めにあたり、こういう話をいたしました。 2学期の諸君らの活躍を祈ります。

 
2009 年 9 月1 日 学園長 西 和彦