開会の辞


 台風も去って体育祭になりました。今日の体育祭で諸君らにお願いしたいことが3つあります。

 一つ目は、須磨学園の体育祭の別名は「戦う体育祭」です。聞くところによると、みんなが投票してくれて、騎馬戦に僕も出ろということなので、35年ぶりに出てみましょう。戦ってみます。
ところで「戦う体育祭」の目的は何か。それは結果を出すということだけではありません。結果を出すことも大切だけど、それに至るまでのプロセス、一生懸命走る、一生懸命守る、そこに至るそのプロセスもぜひ、参加する一人ひとりの諸君らが大切にしてほしいと思います。結果が出ないと意味がないという受験勉強ではありません。受験勉強でも、結果を出すことも大切だけれども、合格目標にむかって進むという、勉強するプロセスも後になってみれば大切です。

 二つ目は、ここを走るときに、見ている人が誰もいないと、どうでしょう。とても空しいと思います。諸君らが走っている間、残りの人たちは応援しています。須磨学園の体育祭の主役は「走る人」と同時に、「応援する人」でもあります。だから応援団がある。応援合戦がある。応援する人は、心を一つにして応援してください。そういう経験はなかなかありません。応援ということも大切な今日の課題のひとつであるということを忘れないでほしいと思います。

 三番目。体育祭は体育の正規の授業になっています。でも、いつもの授業と違うのは、全校の生徒がひとつのグラウンドに集まった授業ということです。つまり、普通の授業では私語は許されない。内職も許されない。早弁も許されない。しかし今日は何でもありです。今日一日の授業の間に、一人、新しい友達を作ってください。前に座っている人だったら話をしますけれど、めったに話をしない人とはなかなか、話をしない訳です。でも今日は自由だから、一人ひとりが新しい友達を一人つくってくれたら、僕はとてもうれしい。

 今日一日の諸君らの健闘を期待します。


2008年9月20日 学園長 西 和彦