理事長 式辞


 まず最初に、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様に御礼申し上げます。須磨学園の五期生をこれからも見守り、激励いただきますようお願い申し上げます。
 保護者の皆様、子どもさんのご入学をお祝い申し上げます。
 そして、新入生のみなさん、須磨学園中学校へのご入学、おめでとうございます。私たちは、みなさんのご入学を心より歓迎しています。
 満開の桜の中、入学していらっしゃった84名のみなさん、みなさんが、一日も早く、あたらしい生活のペースとリズムをつくり学校生活に慣れられることを願っています。

 みなさんはすでに知っているように、須磨学園は、他の学校と比べて、少し厳しいところがあります。また、最初は少し「しんどい」かもしれません。先生が少し口うるさいとも言われています。
 また、予め決められていることがら、守らなければならないことがらしなければならない課題がいくつかあります。これは、小学校にはなかったことです。
 小学校と大きく違うところは、私たちの中学校には制服があります。制服は、第一ボタンをきちんと留めて、シャツの裾をださないできちんと着なければならないという規則もあります。
 私たちの学校は、土曜日も授業があります。予習と復習は当たり前のこととされています。さらに、日々の「筆写」、「タイムマネジメント」、実験レポートなどの課題もあります。慣れるまでは、決して楽ではないと思われます。

 でも、新入生のみなさんは、それらを承知の上で、この須磨学園中学校にくることを選ばれました。別の選択もあったはずですが、皆さんは、この須磨学園でこれからの六年間を過ごされることを選ばれました。どうか、「しっかりと」やってください。勉強だけではありません。

 これからの六年間は、みなさんが少年少女から、大人になる大切な時期です。この時期に、人格の大部分が形成されると言われています。
 みなさんが受験の準備をしている期間、お家の生活はみなさんを中心として、まわっていたのではないでしょうか。テーブルに座れば温かいご飯がでてくる。塾が遅くなったときは、お父さんやお母さんがお迎えにきてくださる。朝は、お母さんが起こしてくださる。色々な人のあたたかい思いに支えられて、過ごしていらっしゃいました。

 これから、みなさんに期待することは、自分で自分のことができる人になっていただくことです。自分の頭を使って、考えることのできる人になっていただくことです。そして、自分が「いい」と考えていることを、実行・実践することです。

 みなさんが獲得しなければならないことは、必ずしも机の上だけでは学べません。そして、また、必ずしも「答」がある問題ばかりではありません。複雑でややこしい世の中とか、人と人との関係とか、学ぶことの意義とか、「答」はでないかもしれないけれど、考え、悩み、迷うことが大切だということもあります。

 それだけでなく、この六年間は、将来大学に進み、「さらに深く学ぶ」ための準備期間です。また大人になって「社会の中でよりよく生きていくために」必要とされる知識と価値を学び、力を育てる期間です。

 私たちは、みなさんが「自分自身がこうありたいと思う自分になること」自己を実現することを目指して、中学校生活を送ってもらいたいと考えています。
 みなさんが、自分の夢や目標に近づくためには、苦しいことも、つらいことも、嫌だと思わない。それを乗り越えていこう、挑戦していこう、という精神をもっていただくことを期待しています。
 がんばること。努力することがみなさんに期待されていますがかならずしも勉強だけではありません。
 それは、人を楽しくさせることであるかもしれませんし、みんなの前でもはっきりと意見が言えることかもしれません。また、あるいは、友達の痛みがわかり思いやりのある行動をとれることかもしれません。

 私たちの仕事は、みなさんをやさしく育み導くだけでなく、時には叱咤激励しながら、皆さんがすすむべき方向を示し、環境を整え、困難もよろこぴも共にしながら、成長していくことです。
 ひたむきに努力を積み重ねてきた人にもたらされる深いよろこびと満足を、みなさんに経験していただきたい。

 保護者のみなさま、これからの須磨学園中学校の生活は、みなさまのご理解とご協力なくしては成り立ちません。どうぞ、温かいご理解とご支援とご協力をお願いいたします。
 大切な子どもさんを、六年間という長きにわたって私ども須磨学園に託していただけることを感謝いたします。と、同時にその責任の重さに身が引き締まる思いです。

 わたくしたちは、ご子息ご息女を全力でお育てし、情熱をもって指導にあたらせていただくことを学園を代表し、ここでお約束いたします。

それでは、須磨学園中学校五期生のみなさん、元気に出発しましよう。 これからのみなさんの健闘と活躍を祈って、私の式辞とします。



2008年4月5日 理事長 西泰子