卒業学年部長 挨拶


 第三学年を代表いたしまして、ご挨拶申し上げます。

 保護者の皆様、本日はご子息・ご息女のご卒業おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。また、この三年間、本校の教育方針、ならびに学年運営に多大なるご理解とご支援を賜りましたことに、この場をお借りして御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。入学式の日に皆さんをこの体育館で迎えてから三年が経とうとしています。今振り返ってみると、三年という月日も、ほんのあっという間の出来事のように思われますが、みなさんも、また私たち教職員も一日のほとんどの時間をこの学校の教室で、またグラウンドや体育館で過ごしてきました。その三年間の中には、友達と大声で笑いあった日もあれば、クラブ活動や学習が行き詰って悔しい涙を流したり、また、悲しい気持ちを隠そうと無理に笑顔を作った日もあったことでしょう。そうして、日々成長する姿を私たちに見せてくれました。

 卒業することを、よく「旅立つ」といいます。これまでは保護者の方に守られ、また、溢れんばかりの愛情を受けて育てられてきました。しかし、今日からは自分の足でしっかりと大地を踏みしめ、目標に向かって一歩一歩進んでいかなければなりません。不安を感じる人もいるでしょう。怖くて、その一歩が踏み出せずにいる人もいるでしょう。でも、大丈夫です。私たちは見てきました。皆さんが自分という存在について、またこれからの自分の人生について真剣に悩み、考える姿を。自分に足りないものを模索し、それを補うために、この寒い中毎日廊下で必死に机に向かう姿を。そして、今日、こうして目の前に誇らしい表情で座っている皆さんの顔を。

 旅立つ時が来ました。たくさんの思い出と、この須磨学園卒業という誇りを胸に、長い旅の第一歩を刻んでください。旅立つ皆さんに、ひとつお願いがあります。坂をくだって行く時、下のグラウンドの前で、最後に過ごした新館の校舎を振り返ってください。三年間という日々が詰まった校舎とその上に広がる青い空を胸に焼き付けてください。そして目の前にある、校祖 西田 のぶ 先生の像を見てください。「清く・正しく・たくましく」という本校の建学の精神が刻まれています。これからの旅の途中で苦しくなった時にはその言葉を思い出してください。自らの志とそれに対する強い思いを持ち、心を高く清らかにそびえさせ、どんな困難に遭おうとも最後まで戦い抜くことのできるたくましい人になってください。そして門をくぐった後、二度と後ろを振り返らず、まっすぐ前を見つめて歩き始めてください。

 皆さんは我々の誇りです。皆さんが社会で活躍する姿を楽しみにしています。素晴らしい三年間をどうもありがとう。さようなら、また、会いましょう。



2008年3月1日 卒業学年部長 吉川 竜浩