育友会長 祝辞


 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 この晴れの卒業証書授与式で、ご挨拶申し上げる機会を得ましたことを光栄に思います。皆さんを今日まで見守り、支えてくださった理事長先生、学園長先生はじめ、諸先生方の熱心なご指導に対し、心から御礼申し上げます。また、保護者の皆様のこれまでのお心使いを思いますと、さぞ、お喜びのこととお祝い申し上げます。

 さて、本日この学園を巣立つ皆さんに、二人の先人の言葉をお祝いの言葉に代えたいと思います。  イギリスの哲学者ラッセルは「私たちの人生は単に事実によってのみならず、希望によっても支配されている。」という言葉を残しています。

 人生とは、希望があってこそ成り立つものなのです。目的のない事実の積み重ねばかりだと人生がつまらないものになります。
 今日、須磨学園を卒業する皆さんは、明日への「夢」と「希望」に溢れたとても美しく輝いた目をしています。それはこの須磨学園の三年間で「なりたい自分」を見つけることが出来たからでしょう。  皆さんは、これから別々の場所で「なりたい自分」という「夢」に向かって前進されることと思います。そして、その中で楽しいことも嬉しいこともたくさんあると思いますが、同時に苦しいことや辛いこともあると思います。しかし、苦しいことや辛いことを乗り越えてこそ、それが自分の糧になるものです。その糧をもとに希望に向かって前進し続けてください。

 次に、フランスの作家ラ・ロシェフコーは「真の友は最大の財産であり、また、最も得がたい財産である。」と言っています。高校生活で培った「絆」を大切にして下さい。
 この三年間で、皆さんはたくさんの人との出会いがありました。特に友人との出会いは忘れられないものではないでしょうか?
 君たちが友人と過ごした三年間は、決して穏やかなことばかりではなく、意見が食い違うこともあったでしょうし、喧嘩をしたこともあったかもしれません。
 しかし、君たちが三年の間に結んだ関係は、利害もなく、駆け引きもなく、表面上のお付き合いでもない、心と心の結びつきが生んだ関係です。それは、簡単なことでは切れることのない強い絆であり、本当の友情になっているでしょう。
 その強い絆で結ばれた、最大の財産であり得がたい財産である「真の友」を、これからも大切にして下さい。

 最後になりましたが、卒業生の皆さんの輝かしい未来とご健康とご多幸をお祈りしまして、私のはなむけの言葉とさせていただきます。



2008年3月1日 育友会会長 駒井 道也