学園長挨拶


音楽を聴きながら、思い出していました。
五年前の八〇周年を祝ったときの須磨学園、
十年前の地震の直後の須磨学園、
四十五年前の今の板宿に引越したときの須磨学園、
五十一年前の私の生まれた平和台の須磨学園、
八十五年前、 この年は理事長と私の母である
今はなき西都の生まれた年でありますが、
写真でしか見たことのない、
創立直後の須磨大手町子守前の須磨学園。
それぞれの須磨学園。
その過去の連続の上に今があると思っています。

この八十五年間の須磨学園に関係された
  卒業生、在校生、教職員の皆様、
  応援してくださいました保護者の皆様、
  兵庫県の教育関係の皆様、
皆皆様方に、心から感謝を捧げたいと思います。
ほんとうに、ありがとうございました。

今の世の中は、
中学・高校に入るために「塾」に行き
大学に入るために「予備校」に行き
会社に入るために「派遣会社」に登録することが
当たり前の世の中になってしまいました。
私は塾や予備校や派遣会社を否定するものではありませんが、
須磨学園では、予備校や派遣会社に
お世話にならなくて済むようにするために、
大学受験だけでなく将来の仕事における自己実現を目指して
「なりたい自分になる」ということを
可能な限りサポートしてゆきたいと
私たち教職員一同、いつも考えています。

この八十五周年を迎えた須磨学園にとって、
「須磨学園の、なりたい須磨学園とは」、と考えていました。
それは「『須磨学園に来て良かった』と言っていただけること」ではないでしょうか。
須磨学園の「今」と「これから」を預かる者を代表する一人として、
「なりたい自分になれる」ような校風づくりを
創意工夫し、情熱をもって続けてゆきたいと決意しています。


二〇〇七年十一月六日
須磨学園 学園長 西 和彦