理事長挨拶


今から八十五年前、
大正十一年十一月九日に須磨学園は創設されました。
今年、八十五年目を迎えます。

この長きにわたる諸先輩がたの教育の営みの上に、
現在の須磨学園があります。
現在に至るまで、学園にかかわり、学園で学び、学園で教え、
学園を育て、学園を見守り、学園とともに歩んできてくださった方々に、深く感謝いたします。

また、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様、保護者の皆様、厚く御礼を申し上げます。

私は学校というものは「器」だと考えています。
「枠組み」と言い換えてもいいかもしれません。
ですから、学校の価値は、その枠組みの中にいる「人」がすべてであります。

この八十五年の時の中で、社会は激動の変化をとげ、
時に日本は多くの人やものを失い、しかしまた多くのものを新しく創ってまいりました。
そうした時代の変化の中で須磨学園の枠組みも大きく変わりました。

しかし、失われずに残り続けているものがあります。
旧いものを守ろうとする働きによってではなく、
その本質的な価値によって生き続けるものがあります。

私は、それは、本校教員から教員へ受け継がれてきている
生徒に向かう教育の情熱であり、
また、「清く、正しく たくましく」時代を生き抜く人を育成する、本学の建学の精神であり、
そしてまた、ひたむきな努力を積み重ね、様々な実践を試みておられる生徒の皆さん、ひとりひとりの中に生きているものであることを信じております。

創立八十五周年記念コンサートに際しての私の話は以上です。


二〇〇七年十一月六日
須磨学園 理事長 西 泰子