学年部長挨拶

 新入生の皆さんと共に、6年間、一緒に勉強をしていく学年団を代表して、須磨学園に入学された皆さんを歓迎し、ご挨拶を申し上げます。

 新入生の皆さん、須磨学園中学校へのご入学おめでとうございます。

 入学に際し、二つの問いかけをします。改めて自分の考えを整理して下さい。

 まずひとつ目です。皆さんは、なぜ須磨学園に入学できたのでしょうか。
 これは、全員が同じお答えだと思います。それは、須磨学園への入学を願う気持ちを胸に、小学校の数年間、受験に向けて努力をした結果です。志願者数647人という激しい競争の入学試験で合格を勝ち得たからです。

 それでは、あとひとつ。あなたはなぜ須磨学園中学校への入学を望んだのでしょうか。表現を変えて問うなら、あなたはこれからの中学・高校生活をどう過ごそうとお考えですか?

 最初の問いかけに、皆さんが同じ答えを返すこととは対照的に、後者の問いへの答えは様々で、新入生の皆さんの人数、84だけあるでしょう。唯一、共通点があるとすれば、“「To Be Myself,...」を実現するため”となるのでしょう。

 新入生の皆さん、お一人お一人が、熱い想いを持って須磨学園を志され、その想いを達成するために入学されたことは事実です。合格を果たされた直後は、この二つの想いは、一致するはずです。

 しかし、少しでも気を緩めると、これら二つの問いへの答えは目にみえて隔たってしまいます。そして、ご自身が望まざる形で入学時の目的と入学後の過ごし方に開きが生じてしまうと、皆さんはこれらの狭間で苦しむことになります。私たちは、このようなことがないよう、しっかりとサポートしていきたいと考えています。

 ですから、今、ここで、ご自分の想いを、もう一度確認してほしかったのです。

 新入生の皆さん、そして保護者の皆さん、この須磨学園の6年後、この同じ場所での3月のご自分達の卒業式の姿を、目を閉じてイメージしてみて下さい。

 身体も心も大きく成長した姿。
 規律ある生活習慣と優れた人間性を身に付けた立派な姿。
 知的好奇心に富み、何にでも自ら積極的に学ぶ姿。
 学業のみならず、深い教養と品格を兼ね備えた姿。
 自慢ができる進学先に合格した姿。
 「To Be Myself,...」の実現に近づいた姿。
 新入生の皆さんは、このように成長した自分がイメージできましたか。

 そして、保護者の皆さんは、このように立派に成長した、お子さんの姿がイメージできましたでしょうか。

 私たち教職員は、誰にでも自慢ができる誇れる皆さんを、この須磨学園から送り出す姿をイメージできます。そして、このイメージを実現するために、私たちは、これからの六年間、皆さん達と正面から向かい合おうと誓いました。

 これからの6年間は、皆さんの人生の中で、最も密度ある成長過程になるはずです。「To Be Myself,...」を実現するためには、これからの6年間、一日一日を大切に生きる日々の過ごし方次第だということを、もう一度強調しておきたいと思います。

 皆さんそれぞれが、努力の積み重ねを一つひとつ成し遂げていったとき、生徒一人ひとり、ここにいる84名が天空にかかる綺羅星(きらぼし)のごとく光輝き、前途に豊な未来が切り拓かれていくと、私たちは確信しています。

 須磨学園で過ごす6年間が、皆さんにとって充実した日々となることを祈り、入学式のご挨拶と致します。
         2006年4月8日
                J1学年部長  早川芳彦