理事長式辞
西 泰子

最初に、ご来賓の皆様に、御礼を申し上げます。
ご来賓の皆様には大変お忙しい中、共学八期生の入学式に
ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。
今日からの三年間、共学八期生をどうか温かく見守り、
激励していただきますように、お願い申し上げます。
次に、保護者の皆様に、お祝いを申し上げます。
ご子息、ご子女のご入学おめでとうございます。
そして、満開の桜の中、入学していらっしゃった462名の皆さん、
おめでとうございます。
私たちは皆さんのご入学をお待ちしておりました。
これからの三年間、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、兵庫県下には公立・私立をあわせると、200校を超える
高等学校があります。
新入生の皆さんは、その中で、この須磨学園高等学校に
進学することを選ばれました。

須磨学園はご存知のように、世間では「厳しい学校」、
「しんどい学校」だと言われています。
みなさんには別の選択もあったと思います。
適当に勉強をこなしながら、ほどほどにいい成績をとって、
友達と楽しく遊び、部活動もそれなりに楽しみ、
無理をしなくてもいける大学に進学する。
そういうことが可能な自由な学校。
このような、別の選択もあったはずですが、
皆さんは、須磨学園で三年間を過ごされることを選ばれました。

須磨学園での三年間は、決して楽ではありません。
これからの三年間は、
皆さんが将来大学で「さらに深く学ぶ」ための準備期間です。
そして、それは同時に皆さんが大人になって、
「社会の中で、よりよく生きていくために必要とされる知識と
知恵と力を育てる」期間です。

皆さんが「自分自身がこうありたいと願う自分になること」、
これを、私達は「to be myself,…」と呼んでいますが、
みなさんが、自分の夢や目標に近づくためには、
苦しいことも、辛いことも、嫌だとは思わない、
それを乗り越えて、挑戦しようという、精神力の持ち主だと見ています。

ですから、私達の使命は、
皆さんをやさしく育み導くだけではなく、
時には厳しく、叱咤激励しながら、皆さんが突き進む道を指し示し、
環境を整え、困難も喜びも共にしながら成長していくことです。

そして、ひたむきな努力を積み重ねてきた人にもたらされる
深い喜びと満足を、皆さんに経験していただくことにあります。

これからの三年間はみなさん一人ひとりに等しく与えられる時間ですが、
時の流れを遅く感じるか早く感じるかは、過ごし方によってそれぞれに変わってきます。

ヒトには、舌や(味覚)、耳や(聴覚)、鼻や(嗅覚)、手や(触覚)、目(視覚)の感覚器官がありますが、
時間を感じる器官はありません。
時間を感じるのは皆さんの「こころ」であり、からだ全体だと思います。時は非常に主観的なものだと考えます。
私は、みなさんが、時を忘れ、夢中になってこの三年間を過ごしていかれることを願っています。

皆さんの前に広がる世界は広く、皆さんが登る山は高く、
頂上に続く道はけわしいかもしれません。
その山道をみんなで登っていきましょう。
より高く登れば、より広い世界が見えてきます。
そして、より遠くまで景色が見えます。

三年後の皆さんには、どういう景色が見えているのでしょうか。
私は、楽しみにしております。

保護者の皆様、これからの須磨学園高等学校での生活は、
保護者の皆様のご理解とご協力なくしては成り立ちません。
どうぞ、温かいご理解とご支援とご協力をお願いいたします。
大切なご子女、ご子息を私どもに託していただけることを感謝いたします。と、同時にその責任の重さに身が引き締まる思いです。
私たちは、ご子女、ご子息を全力でお育てし、
情熱を持って指導にあたらせていただくことを、
学園を代表し、ここで、お約束いたします。

それでは、須磨学園高等学校八期生の皆さん、元気で出発しましょう。

これからの皆さんの健闘と活躍を祈って、私の式辞と致します。