在校生代表祝辞

平野雄大


厳しかった冬を耐え、競い合って美しい花を咲かせる準備をしている木々たち。そんな木々たちに囲まれて、今日、新たなスタートラインに立たれた皆さん、ご卒業おめでとうございます。在校生一同、先輩方の晴れの門出を心からお祝い申し上げます。

先輩方が入学なさいましてから、早三年の月日が経ちました。時が経つのは早いものです。三年間の高校生活、振り返ってみていかがでしょうか。部活動に精一杯の汗を流された方、行事に全力を尽くされた方、勉強に専念された方、学校外で様々なことに挑戦された方、須磨学園の急な坂道の攻略法を編み出された方。この三年間、一人ひとり様々なことに、チャレンジされたことと思います。それは、この須磨学園という学校に通っていたからこそできたと思います。この三年間で、一人ひとりが個性や才能を磨きに磨き、素晴らしい青春の日々を過ごせたのではないでしょうか。
思い起こせば二年前、先輩方の素晴らしいご活躍に憧れ、須磨学園の門に入った僕たち。入学後、一番始めに知ったことは、栄光を手に入れるためには日々の弛まぬ努力が必要だということでした。毎日朝早くから学校に来られて、夜遅くまで部活動や生徒会活動に励まれている姿や、放課後の教室で黙々と机に向かう姿には自分自身のあるべき姿を見つけ、幾度となく励まされてきました。そんな先輩方と共有した思い出は、僕たちにとって大切な宝物になりました。文化祭では趣向を凝らした出し物や互いに協力し合う姿に、先輩方の熱意を感じました。
そして、最も思い出に残っているのは、九月下旬に開催された体育祭。絶好の体育祭日和になったあの日、去年始めて競技種目に取り入れられ、全くゼロのところから創り上げていった応援合戦で、頭から水をかぶり、気合いを入れ、須磨の海までも響き渡るような大声を上げていらした場面、また、騎馬戦で、クラス全員が一つになり、正々堂々と戦っておられた場面に、先輩方の堅い絆を感じました。今でもあの白熱した初秋の記憶が鮮明によみがえってきます。

今日お別れの日を迎えたことは本当に残念です。そして先輩方のいなくなる須磨学園を引き継ぐのは不安な気持ちでいっぱいです。しかし、先輩方も新しい門出に不安を抱えていらっしゃるかもしれません。僕の好きな歌の歌詞に、
誰も自分を認めてくれなくても
僕は僕が好きだと言える
だったらそれで十分なんだ
いや最高なんだよ
自分で認める努力だけは
絶対に裏切らないのだから
というフレーズがあります。自分自身で決められたこれからの道なのですから、人に何を言われようが、その道は正しい道なのだと思います。
この須磨学園で培った「To be myself 精神」を信じて、どうか堅い意志のもと、しっかりと自分らしい人生を突き進んでください。在校生一同心から応援いたします。そして、卒業後も、時には母校を訪ね、元気なお姿をお見せいただくとともに、僕たちを励ましてください。お待ちしております。最後になりましたが、卒業生の皆さんの今後のご活躍とご健康をお祈り申し上げ、祝辞といたします。

以上