理事長式辞
西 泰子

 最初に、来賓の皆様に、お礼申し上げます。ご来賓の皆様には大変お忙しい中、ご臨席を賜り、ありがとうございました。今日からの三年間、共学7期生をどうか温かく見守り、激励していただきますように、お願い申し上げます。

 次に、保護者の皆様に、お祝いを申し上げます。ご子息、ご子女のご入学おめでとうございます。桜の花がさくよりも一足早く、入学していらっしゃった406名の皆さん、私達は皆さんのご入学をお待ちしておりました。これからの三年間、よろしくお願いいたします。

 兵庫県下には200校を超える高等学校があります。新入生の皆さんは、その中で、この須磨学園高等学校に進学することを選ばれました。須磨学園は巷では、厳しい学校、しんどい学校だと言われています。適当に勉強をこなしながら、ほどほどにいい成績をとって、友達と楽しく遊び、部活動を思い切りするという別の選択もあったはずですが、皆さんは、この須磨学園で三年間を過ごされることを選ばれました。

 これからの三年間は、皆さんが将来大学で「さらに深く学ぶ」ための準備期間です。そして、それは同時に皆さんが大人になって社会の中で、「よりよく生きていくために必要とされる知識と知恵と力を育てる」期間です。皆さんが「自分自身がこうありたいと思う自分になること」、私達は「to be myself,…」と呼んでいますが、自分の夢や目標に近づくためには、苦しいことも、辛いことも、嫌だとは思わない。それを乗り越えて、挑戦しようという、精神の持ち主だと見ています。ですから、私達の仕事、使命は、皆さんをやさしく育み導くだけではなく、時には叱咤激励しながら、皆さん突き進む道を指し示し、環境を整え、困難も喜びも共にしながら成長していくことです。ひたむきな努力を積み重ねてきた人にもたらされる深い喜びと満足を、皆さんに経験していただくことにあります。三年間は等しくみんなに与えられた時間ですが、時の流れを遅く感じるか早く感じるかは、過ごし方によって変わってきます。ヒトには、舌(味覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、手(触覚)、目(視覚)の感覚器官がありますが、時間を感じる器官はありません。時間を感じるのは皆さんの「こころ」であり、からだ全体だと思います。時を忘れ、夢中になって過ごしていかれることを願っています。

 皆さんの前に広がる世界は広く、皆さんが登る山は高く、頂上に続く道はけわしいかもしれません。その山道をみんなで登っていきましょう。より高く登れば、より広い世界が見えてきます。そして、より遠くまで景色が見えます。三年後の皆さんには、どういう景色が見えているのでしょうか。私は楽しみにしています。

 ご父母の皆様これからの須磨学園高等学校での生活はご父母の皆様のご理解とご協力なくしては成り立ちません。どうぞ、温かいご理解とご支援とご協力をお願いいたします。大切なご子女、ご子息を私ども須磨学園に託していただけることを感謝いたします。と、同時にその責任の重さに身が引き締まる思いです。私達は、ご子女、ご子息を全力でお育てし、情熱を持って指導にあたらせていただくことを学園を代表し、ここで、お約束いたします。それでは、須磨学園高等学校七期生の皆さん、元気で出発しましょう。これからの皆さんの健闘と活躍を祈って、私の式辞とします。