在校生代表祝辞
迫田 亜希

 厳しい寒さの中にも、日ごとに春めいて木々の芽が顔をのぞかせる季節となりました。
 3年生の皆様、ご卒業おめでとうございます。私たち在校生一同心よりお祝い申し上げます。
 今、皆様がご入学されてから今日までの高校生活を振り返られますと、この3年間というのは長いようで短かったのではないでしょうか。希望を胸に入学され、全課程を修了されるまでには数多くの出来事を経験されたことと思います。その思い出の風景の中に、私たち在校生の姿があれば、大変幸せです。また必ずあるものと信じています。
 思い起こせば、二年前の四月、高校生活への期待と大きな不安を抱いて入学した私たちを、優しい言葉と笑顔で温かく迎えてくださいました。あの日のことは、今も鮮明に覚えています。あの日以来、勉強にスポーツに、あるいはクラブ活動や委員会活動に先輩方と共に学び、汗をかき、語り合い、喜び合ったことは、懐かしい思い出として在校生一人一人の胸に刻まれています。
 文化祭や体育祭などの思い出も、今、鮮やかに甦ってきます。文化祭では、数々のアイディアを出され、「さすが先輩」と思わせる企画で盛り上げてくださいました。体育祭では強い団結力でクラスが一丸となり、真剣な態度で競技に臨まれ、私たちをリードし、たくましいファイトを見せてくださいました。そして、他のクラスの選手やわたしたち後輩にも分け隔てなく声援を送っておられる姿に感動しました。また、生徒会活動では、何もわからず、戸惑ってばかりの私たちに、全てにおいて思いやりのあるご指導をいただきました。私たちは、先輩方が受け継いで来られたよき伝統を誇りに思い、またそのお姿をお手本として見習いたいといつも思ったものです。そして引退されてからもいつも気にかけていただき、相談にのってくださったことは一生忘れません。私たちは、数々の場面を通して先輩方の熱意や団結力、ねばり強く最後までベストを尽くすその姿勢から多くのことを学びました。私たちにとって、皆様は常によき目標であり、ある時はライバルとも思いました。それだけ先輩方のパワーが、私たちをひきつけたのだと思います。
 その皆様が、今日、卒業され、わたしたちは"さようなら"を告げなくてはなりません。淋しい気持ちも致しますが、今日は盛大な拍手と笑顔でみなさまをお送りしたいと思います。
 いよいよ明日からは、それぞれが選ばれた道を進まれるわけですが、本校で培った経験や知識、たくましいチャレンジ精神、出会った友人を生涯の宝としていっそう魅力ある先輩になっていただきたいと願っております。
 私たち在校生も、これからも学校生活の充実をめざし、努めてまいります。そして先輩方のような手本になれるよう、みなさまから教えて頂いた「一つの目標に向かって仲間と共に笑い、喜び励まし合う心」を胸に、先輩方が守り、発展させてこられた伝統を受け継ぎ、後輩に伝え、共に育て頑張って行く覚悟でおります。
 これからの活躍される場で、もし困難や厳しいかべに突き当たった時には、諸先生方、そして後輩たちが、いつも母校で応援していることを思い出してください。
 お世話になることばかりで至らない後輩の私たちでしたが、本当にいろいろありがとうございました。機会があれば、是非母校にお顔を見せに来てください。お待ちしております。皆様の今後のご健康とご活躍をお祈りし祝辞とさせていただきます。