理事長式辞
西 泰子

須磨学園高等学校四期生・413名のみなさん、ご卒業おめでとうございます。

この慶びの日をともに迎えさせていただけたことを、みなさんに感謝いたします。

保護者の皆様、この日を心待ちにしてこられたことと存じます。ご子息、ご子女の門出を心よりお慶び申し上げます。

ご臨席を賜りましたご来賓の皆様方、厚く御礼申し上げます。

また、この三年間、皆さんを励まし支えてきた荻野部長をはじめとする第3学年の教員団の熱く深い情熱と健闘を、この場をお借りして讃えたいと思います。

そして、今日この場に参列できなかったみなさんの級友の一人、生きるために、病気と闘っているみなさんの級友である竹中くんの一日も早い回復を祈らせてください。

今日これから、学校を背にして、新しい世界にでていくみなさん、みなさんの前にはさまざまな道が開けています。

社会に出てゆく方たち、、あるいは進学して専門性を身につける道を目指す方たち、みなさんはこれからそれぞれの道を歩まれることになります。

同じ場所で、同じ時間を共有したみなさんが、これからだんだんと多様な様々な進路をとり、それぞれの世界に社会に生きていくことになります。

どうか、納得する人生を歩んでいってください。

私たちはこの三年の間、みなさんに「自分がなりたいと思う自分になること」を求めてきました。自己を実現することがテーマだったと思います。

そして、そのために、何をしなければならないのか。自分自身の目標を実現するための努力を求めて、教職員一丸となって支えてきたと思います。

それは、勉強であり、また、部活動であり、また、人と人との関係、人と社会との関係をつくることだったかもしれません。

何も見つからず、迷路の中に入り込んだままの人もいるかもしれません。

「自分」にまつわる迷路に入っていくこと、それを一つの旅と言ってもいいと思いますが、旅の意味はつねに目的地ではなく、旅をすることそれ自体の中にあると考えます。

つまり、自分という「謎」をどう言い当てるかということではなく、自分がどう生きるかということだと考えます。

よりよく生きていくために、皆さんに、学び続けていっていただきたい。

学ぶことは、決して机の上の勉強だけではありません。

経験から学ぶ。失敗から学ぶ。仕事を通して学ぶ。人から学ぶ。様々な学びがあります。

学ぶことを放棄し、前に突き進むことを放棄した若者は、現状維持の自堕落さにおちいるしかなく、それは、ある種の快適な居心地のよさがあります。

そこに安住しつづけるとき、私たちは知らぬ間に「若さ」に別れを告げることになると思います。

わたくしは、みなさんにいつまでも若くいてほしいと願っています。

困難に立ち向かい、変革を畏れず、果敢に挑戦しながら、年齢とは関係のない「若さ」を実現し続けていってほしい。

その願いと祈りを皆さんへの別れの挨拶として、わたくしの言葉を終わらせていただきます。