学年部長挨拶

今日は、おめでとうございます。
 延べ受験生が990人という難関を突破されて我が須磨学園の栄えある一期生の栄誉を獲得された生徒諸君。そして、それを可能にした保護者の方々。きっとお子さんが以前にもまして、大きくたくましく、そして、輝いて見えることでしょう。
 さて、第一段階の目的は達成されました。しかし、この目的は究極のものではありません。本校を選ばれたことで、正しいスタートは切られましたが、あくまで、スタートです。これからが本当の人生の戦いが始まる訳です。中学入試と大学入試の違いは何であるとお考えですか。中学入試は親子が一心同体になって得られ、大学入試は親離れした子と子離れした親が勝ち取れるものなのです。
 これから、いかにうまく、離れていくかが勝負です。生徒諸君は自立(自分で立つ)と自律(自分をコントロールすること)をしていかなければなりません。かと言って、保護者の方々はすぐに手を離してはいけません。子の自立を促しながら、しっかりと我が子を見つめ、道からそれそうなら修正し、子の適正を探りながらそれを押し付けず、相談があれば的確に答えてあげる。そんな、親子の勝利なのです。
 親がやるべきこと、やってはいけないことなど、これから、機会があれば、お話申し上げたいと思います。6年間という長丁場です。それぞれのポイント、ポイントでアドバイスを申し上げたいと存じます。今は、どうすればいいか。子どもさんが「自立」できるように心を砕いて下さい。生徒諸君次の質問にいくつマルと言えますか。

1 朝、自分で起きて来られますか。
2 夢をもっていますか。
3 勉強をしろと言われなくても自分で決めた時間には、自室に入って今年は3時間の勉強をする習慣がついていますか。

 東大、京大、医学部などの難関大学を目指すなら、中1から、すべての学習内容をマスターしなければなりません。それは厳しいものです。しかし、中1からその気になって、毎日毎日の授業と家庭学習を充実させれば、ゆとりをもって、楽しいこともしながら、目的は達成できます。学校は休まない、遅刻をしない、必ず予習をして、授業を受け、その後は復習をして、疑問点を残さない。どれだけの覚悟を今してください。その覚悟のできる人はあっと言う間に学年のトップになり、好きなクラスに入れます。先生方に一目も二目も置かれる生徒になります。全員がそうなる夢を私は持っています。それはまた実現する夢なのです。
 さあ、いくつマルがつきましたか。3つマルがついた人、挙手して下さい。2つの人、1つの人、0の人? なるほど。全員の手が挙がるまで、学校は働きかけ続けます。
 一期生は特別な存在です。あなた方の歩いた道がこの須磨学園の道になるのです。その栄誉と責任そして誇りを十分噛み締めて下さい。次の詩を送ります。

   道程
       高村 光太郎
   僕の前に道はない
   僕の後ろに、道はできる
   ああ、自然よ
   父よ
   僕を一人立ちにさせた広大な父よ
   僕から目を離さないで守ることをせよ
   つねに父の気魄を僕に充たせよ
   この遠い道程のため

   この輝かしい道程のため

 ご静聴感謝します。ありがとうございました。

学年部長 松野和平