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2023年度中学入学式 学年部長 挨拶

 学年団を代表して、ご挨拶申し上げます。
 中高一貫20期生の皆さん、本日はご入学、まことにおめでとうございます。学年団一同、心より歓迎いたします。そして、保護者の方々、大切なご子息、ご息女を、この須磨学園に託していただき、感謝申し上げます。
 中高一貫の6年間は、子供から大人に成長し、人格の基礎がつくられる、最も大切な期間だと思います。その大切な期間をこれからともに過ごし、皆さんの成長に携われることをうれしく思います。

 私から、入学に際して、大切にしてほしいことを一つお話します。それは、お互いに高め合える関係を築くということです。

 先日のオリエンテーションで、私は高いレベルで一丸となって、学習面、部活動、学校行事に取り組む、強い集団を目指そうと言いました。
 しかしながら、初めから模擬試験で日本一の平均点を取るような集団作りができたわけではありません。初めからテニス部が兵庫県ベスト4に入るような集団であったわけでもありません。簡単に文化祭で木製のジェットコースターが実現できたわけでもありません。

 その過程には、数えきれない多くの失敗があり、悔しさがあり、挫折がありました。
 生徒たちに多くの課題を課しても、思うように結果が出ず、申し訳なくて涙を流したこともありました。
 クラブの生徒に、毎日の朝と放課後の練習を課して厳しく指導してきたにもかかわらず、結果が出ず、ともに涙したことは何度もありました。
 木製のジェットコースターも何度も失敗して、もう無理かとあきらめて投げ出したくなりました。

 それでも、立ち上がり、前を向いて、あきらめずに進むことができたのは、そこに一生懸命に頑張る生徒たちがいたからです。この生徒たちだからこそ、自分は頑張れたのだと何度も思うことがありました。また卒業していった生徒たちも、決して一人では頑張れなかったはずです。周りに頑張る生徒たちがいたから頑張れた。ライバルがいたからこそ、高め合えたと確信しています。そうした、関係があるからこそ、成功したときの感動は大きく、卒業しても関係がつづく唯一無二の友を得ることができるのです。

 私たち20期生と学年団は、君たちとそういう関係を築いていきたいと強く思っています。お互いに安易な方向に流されるのではなく、高い目標をもって、お互いに高め合える方向を選んでほしい、そして、高め合える関係を築いてほしいと強く願っています。
 学年目標は「一丸となって、協力し合い、競い合い、高め合う」です。ぜひ高い志を掲げ、何事にも挑戦していきましょう。そこには、苦しいこともたいへんなこともあるでしょうが、君たちは決して一人ではありません。周りには高め合えるたくさんの友がいます。また前にいる学年教員は君たちの目標を全力で応援します。横にいる理事長・学園長をはじめとした教員・教職員も君たちの味方です。そして、だれよりもあなたのことを大切に思う家族が後ろにいます。君たちには、この多くの方々に支えられながら生きているということに感謝するとともに、この大きな須磨学園の一員ということを自覚して、互いに高め合い、一生忘れることのない、お金では買えない価値あるものを手に入れていってほしいと願っています。

 私の好きなイギリスのことわざに「easy come easy go」という言葉があります。簡単に手に入ったお金は、簡単に出ていく。しかしながら、苦労して手に入れたものは、簡単には出ていかず自分のものになるということです。
 須磨学園中学校の合格を勝ち取った君たちなら、きっとそのお金では買えない価値あるものを手に入れることができるはずです。
 もう一度、言います。
 「初めからうまくいくことはありません。しかし、だからと言って安易な方向に進んでほしくはありません。高い志をもって、協力し合い、ライバルとして競い合い、高め合う」、そして、その先にある大きな喜びをともに分かち合いましょう。

 最後になりましたが、保護者の皆様、これからご子息・ご息女が充実した学園生活を送り、いつの日かなりたい自分になり、そして、社会の一員として、日本、世界の発展に尽くし、周りの人々への感謝と思いやりをもった人物になるよう、精一杯指導してまいりますので、本校の教育方針をご理解の上、ご協力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

2023年4月8日 J1学年部長  田村 忠