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2022年度 高校入学式 高校校長 式辞

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、心より皆さんを歓迎いたします。今日ここで皆さんとお会いできたこと、本当にうれしく思います。

 保護者の皆様、ご子息・ご息女のご入学、おめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。今後の須磨学園の教育活動におきまして、皆様から多大なるご理解・ご支援を賜りますことを、この場をお借りいたしまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、義務教育を終え、これから新たにこのはるかなる海を見渡す丘の上で、晴れて高校生活をスタートさせる新入生の皆さんに贈りたい言葉があります。それは、『清く・正しく・たくましく』という精神です。この言葉は、須磨学園の建学の精神であり、私が個人的にすごく好きな言葉です。皆さんには須磨学園生としての誇りを持ち、清く・正しく・たくましい人に成長してほしいと期待しています。

 『清く』 生きていく人であるために、他者への思いやりや感謝の心、そして素直に感動する心をしっかりと育んでください。当たり前のことですが、人は一人だけでは絶対に生きてはいけません。この世の誰もが、誰かに支えられ、誰かを支えて生きています。そのことを決して当たり前だと思うことなく、感謝の気持ちをもって、共に生きる人たちに思いやりの気持ちをもつことの大切さを絶対に忘れないでください。そしていかなる場面においても、ありがたいことはありがたい、素晴らしいものは素晴らしいと素直に感動することのできる感性を涵養してくれることを期待しています。

 『正しく』 生きていく人であるために、「考える」ことから逃げないでください。あらゆる場面において、自身のあるべき姿、正しい姿勢とはいかなるものであるのかについて、真摯に向き合って考えてください。自らがものごとにどのような姿勢で臨むべきか、それぞれの場面においていかなる言動をするべきか、ということについて常にしっかりと考える習慣を育んでください。自身が素直に感じたことを大切にしながらも、あらゆる場面において考えることを真摯に繰り返していくと、喜びと悲しみ、楽しさと苦しさのような一見対極にあると思われるような概念が、決して対のものではなく、根底では一体であるという考えに至るのではないかと考えています。そのような思慮こそが、ものごとのあらゆる側面を照らす光となることがあると思います。ものごとを表面的に、かつ文字通りにとらえているだけでは苦難を乗り越えるために求められる正しい判断がかすんでしまうのです。

 『たくましく』 生きていく人であるために、いかなる勝負においても、絶対に「勝つ」ことをあきらめない人であってほしいと思います。これから皆さんは幾多の勝負に挑むことになります。挑むと決めたならば、その勝負に「負けても仕方がない…」、「胸を借りるつもりで…」、「いい勝負ができれば…」 などの消極的な姿勢で臨んではいけません。どの機会もたった一度の人生における大切な勝負です。どんなに厳しい状況であっても「勝つ」ためにどうあるべきか、何ができるかを徹底的に追求してください。そのような強い信念で勝負に挑んだ者こそが、勝負における勝ち負けを超えた本当の「価値」を見出すことができるのだと確信しています。

 須磨学園の校門から校舎までの坂道に、建学の精神『清く・正しく・たくましく』が刻まれた校祖の像があります。ぜひ今日の帰りにその言葉を目に焼きつけて、今日の門出の日の思いを胸に刻んでおいてください。私たちは、将来皆さんが、『清く・正しく・たくましい』人として、なりたい自分になって、社会や世界で大いに躍動する日を楽しみに、この高校生活においてその礎をつくるべく、全力で皆さんを支えていくことをここに誓います。 それでは3年間どうぞよろしくお願いします。

2022年4月9日 高校校長  堀井 雅幸