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2021年度 高校入学式 理事長 式辞

 先ほど入学を許可された須磨学園高等学校23期生、学校法人須磨学園としては100期生にあたります396名、中高一貫15期生130名合計526名のみなさん。私たちはみなさんが入学されるこの日を待っていました。

 今日のこの式は去年からの経験の積み重ねのうえにおいて行われています。昨年の入学式は、コロナの初期段階で緊急事態宣言下でのWeb配信で行われました。今年も明日からまん延防止等重点措置が発出され、その中での実施になります。
 形は限定的ではありますが、今日直接みなさんとお会いすることができて、教職員一同、大変うれしく思っております。ご入学、おめでとうございます。私たちはみなさんを心より歓迎いたします。これからの3年間、どうぞよろしくお願いします。

 さて、新入生のみなさん。みなさんは9年間の義務教育を終えられて、今日から新しい生活に入られます。みなさんは須磨学園高等学校の生徒になられます。須磨学園の生徒になられるにあたり、申し上げたいことが4つあります。
 1つめは当たり前のことは当たり前にするということです。とても簡単なことです。須磨学園は世間では厳しい学校と言われているようですが、どうでしょうか。色々な校訓やルールがあります。制服をきちんと着る、時間を守る、制携帯があります。予習は当たり前のこととしてやることになっています。何よりも授業が厳しい。授業をきちんと聞く。当たり前のことです。
 須磨学園での校則やルールは、全て世間でいうところの当たり前のことです。妙な校則はありません。もし当たり前でない、普通でない校則があれば、みなさん意見として出してください。これは世間では非常識だ、当たり前ではないと。当たり前のことを当たり前にすることは実はそれほど簡単ではないのですね。そして、とても大切なことです。須磨学園では当たり前のことを当たり前にしていただく。そしてそのうえで自分のやりたいことを一生懸命やってください。
 2つめは失敗を恐れずチャレンジするということ。これからの3年間はみなさんが将来どういう大人になるのか、どういう大人になり社会と関わっていくのかという大きな方向を決める大切な3年間です。迷うこともあるでしょう、悩むこともあると思います。
 悩んだり、迷ったときに、私はみなさんに困難な道を選ぶことをお勧めします。簡単な道、イージーな道を選ぶよりも、険しい道、難しい道を選んでいただきたい。なぜなら、困難な道はやりがいのある道だからです。困難な道には失敗がつきものだからです。守られた環境にいる今だからこそ、失敗ができると思います。困難な道で失敗をすること、それはとても大切な経験です。
 人生において一度も失敗をしない人はいません。いるとすれば、何事にもチャレンジしなかった人です。または幸運の女神に愛された本当にまれなる人だと思います。ほとんどの人が何らかの失敗をします。そして今守られた立場にいるみなさんだからこそできることは、果敢にチャレンジをすることです。
 ただ、一つだけ、気をつけていただきたいことがあります。人を傷つけることにはチャレンジしないでください。人を傷つけること、自分を傷つけること、親を傷つけること、これらはしないでください。みなさんは誰かを傷つける、人を傷つける権利は持っていません。
 3つめは主体的に学ぶということです。みなさんは恵まれた環境で過ごしていらっしゃっています。だから与えられることに慣れておられます。
 これは私たち大人の責任でもあります。私たちがみなさんに、色々なものを与え過ぎているからです。私たちがみなさんに教え過ぎているからです。だからみなさんは、教えてもらうことに慣れて、やらされることに慣れて、教えてもらわなかったことややらされていないことについては、自分から学ぼうとしない人が増えてきているような気がします。
 教えてもらうだけでは不十分です。やらされている限り、ある程度のところまでしかたどり着きません。ですから、受け身の学びから能動的な学びを行っていただきたい。
 みなさん、いらないものをもらうよりも、自分のほしいものを手に入れるほうが嬉しいのではないでしょうか。自分のほしいものを手に入れる努力をして、手に入れたほうが嬉しいものです。学びも一緒です。与えられる知識の習得だけではなく、自ら学び、知識を使って実践していただきたい。わかっているだけで行動にうつせない人、実践できない人、一歩前に出てください。
 最後に4つめは、相手の立場に立って物事を考えることです。自分がされて嫌なことは相手にしない。これは当たり前のこととしてみなさん実践しておられると思います。自分がしてもらいたいことを相手にする。それを当たり前のこととして実践しておられる人もいますけれど、それだけでは足りません。相手の立場に立ってものを考えてください。みなそれぞれ持っている価値観は違います。人のことなどわからない。では、どうすればよいのでしょうか。
 必要なことは想像力を働かせることです。イマジネーションです。想像力を働かせて相手の立場に立って、問題を考えて、相手の気持ちを考えて行動すること、そうすることによって他人とより深く理解しあえる関係が築いていけると思います。私が申しあげたいことは以上です。

 これからの3年間、“to be myself,…”を実現するために、みなさんにとって密度の濃い時間を過ごせることを応援します。では出発しましょう。

2021年4月3日 理事長 西 泰子