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2021年度高校卒業式 K3学年卒業生代表 答辞

長く厳しい寒さも和らぎ、暖かな、優しい日差しが差し込む季節になりました。本日は、私たち卒業生のために、このような盛大な式を挙行していただき、誠にありがとうございます。理事長先生、学園長先生をはじめ、ご臨席を賜りました先生方、保護者の皆様に、心より感謝申し上げます。

さて、私は三年前の入学式で、「なりたい自分になる」ために、一人ひとりが目標を持ち、その目標を達成するための努力を重ね、仲間とともに充実した学校生活を送ることをここに誓います、と宣誓をさせていただきました。この三年間を振り返ると、苦しいときもありましたが、たくさんの方々に背中を押してもらい、なんとか最後まで笑顔で駆け抜けることのできた、充実という言葉では言い尽くせないほどの、疾風怒濤のレースであったと感じます。

学園長先生。終業式で、失敗は失敗したと思わない限り失敗ではなく、うまくいかなかった原因を省みることで次につなげるためのステップだとお話していただき、挑戦への恐怖心がなくなりました。

理事長先生。レシテーションコンテストで、審査をしてくださった理事長先生はまっすぐに私の目を見て、うなずきながら私のスピーチを聞いてくださいました。私自身をまるごと認めてくださっているようで嬉しく、力が湧いたのを覚えています。

碓井先生には三年間でたくさん叱られました。反発心を抱くこともありましたが、常に本気で私たちを想ってくださっていた証だと、今は感謝しています。模試などで落ち込む度に、大丈夫だから、と励ましてくださったおかげで、私はまた前を向くことが出来ました。そして、量をこなして自信がつくようにと、日曜日に印刷室にこもって大量のプリントを準備してくださいました。私にとって、プリントよりも、そんな熱い碓井先生がいつでも味方でいてくれることこそが、一番の心の支えでした。

堀川先生は、私たちと同じ目線に立ちつつ、みんなのお母さんのように、いつも寛大に見守ってくださいました。はしゃぐ男子に混ざって、平気で昆虫食を食べてしまう、そんな先生の余裕が、私たちに大きな安心感を与えてくれました。二年生の冬、受験への不安に押しつぶされそうになった時、私を信じて、という言葉をかけてくださいました。その一言は私に力強く進む勇気をくれた、エネルギーの源です。二次試験前、先生に毎日一時間も世界史の問題を出していただいたことで、極度の緊張状態の中でも気持ちが安定したし、自信をもって試験に臨むことができました。

一年間、私をパワフルに引っぱってくださった剛司先生。いつでも明るく数学を教えてくれて、苦手意識を克服させてくださった塩谷先生。そのほか、学年外も含めた、たくさんの先生方にお世話になりました。

食堂のスタッフのみなさん。毎日九時学をする私たちには、食堂の美味しい夕食が欠かせませんでした。豊富なメニュー、手の込んだデザートに日々心を躍らせた結果、六キロも太ってしまいました。食堂はとても落ち着く場所で、落ち込んだ時にも、太田さんや奥田さんをはじめみなさんとおしゃべりをして、温かいご飯をお腹いっぱいに食べれば、瞬く間に元気が復活しました。

お父さん、お母さん。三年間、一緒に走り続けてくれて本当にありがとう。三年前と比べて、私の背中は大きくなりましたか。お母さんは、友達のようにふざけあう仲ですが、朝の六時半に登校し、夜の十時に帰宅する生活を続けられたのは、紛れもなくお母さんのおかげです。三年生の春、受験勉強を巡って大喧嘩をしたよね。本質的な勉強を忘れかけていた私に「そんなんやったら落ちるわ」と言い放った一言が本当に悔しくて、翌日の世界史の授業を号泣しながら受けたことが懐かしいです。だけどそのおかげで私は自分を奮い立たせることができたから、まだまだお母さんには敵わないし、いつまでも娘なのだろうと思います。お父さんは、不器用ながらも、私の挑戦を心配しつつ応援してくれました。せっかくの日曜日なのに自学の送り迎えをしてくれたり、いつでも私の勉強を一番に考えてくれてありがとう。これからは私に気を遣わずに、大音量で映画を楽しんでください。二人とも運動をちゃんとして、健康に気を付けて、これからも私を見守っていてください。

そして、共学二十一期生のみんな。直接関わったことがない人にも、私は一人一人に感謝を述べたいです。グラウンドや体育館から聞こえてくる、部活に励む声。美しく響く楽器の音色。教室で黙々と勉強する姿。私も頑張らなきゃ、と何度もみんなの存在に背中を押してもらいました。また、行事に全力で挑む六組が大好きでした。文化祭は初めての出店で、右も左もわからない中、全員の個性と知恵を集結してお化け屋敷を完成させ、最後のお客さんとして碓井先生を迎えたときのあの感動と最高の達成感は、一生忘れません。特に仲良くしてくれた友達へ。みんなとは家族よりも長い時間をともにこの須磨学園で過ごし、毎日毎日、くだらないことで涙が出るぐらい大笑いしたね。私は、どんな弱さも受け止めてくれるみんなに甘えてばかりで、つらいとき、不安な時、わんわん泣いては、励ましてもらいました。誰か一人でもいなかったら、今の私はありません。出会ってくれてありがとう。別々の道を歩んでいくけれど、それぞれの場所で輝くみんなの姿が、これからもきっと私を支えてくれるでしょう。

在校生のみなさん。先ほどは心温まる祝辞をありがとうございました。須磨学園には、どんなに困難に思われる挑戦でも、みなさんのことを無謀だと笑う人はいません。壁にぶつかったときは、顔を上げ、周りを見回してください。どうやってその壁を壊すか、ともに真剣に考えてくれる人がたくさんいるでしょう。どうか、挑戦につきまとう失敗や挫折を恐れず、高みを目指して、一歩一歩突き進んでください。

最後になりましたが、須磨学園の益々のご発展を心よりお祈りして、答辞の言葉とさせていただきます。

             

2022年3月5日 K3卒業生代表  糸島 怜実