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2020年度高校卒業式 V2学年卒業生代表 答辞

 日ごとに日差しが暖かさを増し、春の訪れを感じる季節となりました。本日は、徹底した感染予防対策を行ったうえで、こうして式典を挙行していただき、誠にありがとうございます。また、ご多忙のなか、ご出席いただきました保護者の皆様にも、深く御礼申し上げます。先ほど理事長先生、学園長先生、校長先生からいただいた心に響くお言葉の数々を胸に、僕たち12期生111名は、本日、須磨学園高等学校を卒業します。

 須磨学園に入学してから、六年が経ちました。六年前、中学一年生の僕たちには、須磨学園の階段を上るだけでも大仕事。中学入試の時に緊張しながら階段を上って膝が笑っていたことも、今ではいい思い出です。そこから、僕たちは心身ともに大きく成長できました。須磨学園の階段も、今や、かけあがることもできるほど、なじみの場所です。

 この六年間、僕たちは本当に、多くの方々に助けていただきました。
 理事長先生。この間お会いした時に、先生は、僕の顔と名前を覚えていてくださいました。先生からすると、当たり前なことなのかもしれません。しかし、直接お話しできる機会がほとんどなかった僕のことを、覚えていてくださっていて、本当に嬉しかったです。僕たちは先生に温かく見守っていただいているのだと改めて感じました。
 学園長先生。先生には、中学三年生のサマーキャンプで、「好きなことを仕事にする」ということを、教えていただきました。ご多忙のなか、高野山にまでお越しくださり、僕たちの学年全員の質問に、先生が一人ひとり、丁寧に答えてくださったことを、今でも鮮明に覚えています。
 学年部長の吉田先生。先生にはこの二年間で、「この学年は、何をやってもそろわんのや。そんなことをしていると、本当に大事な時に致命的なミスをする」と、何度も注意されました。毎日の健康観察も、僕たちは、先生から何度も叱られましたが、そのたびに、社会の厳しさだけではなく、「大事な時に失敗してほしくない」という、先生の深い愛情と熱意を感じました。
 宮浦先生。先生は、J1から僕たちの学年で、担任もしていただきました。中学三年間、先生は「毎日英語」と何度もおっしゃっていましたね。その言葉の意味は、学年が上がるにつれて、痛いほど理解できました。先生のクラスでなければ、合唱コンクールでの団結することの難しさや、努力が報われたときの喜びを実感できなかったと思います。
 山﨑先生。先生は六年間、僕たちにとって、「母」のような存在でした。誰よりも早く出勤され、忙しくお仕事に励まれるなか、それでも僕がいつも思い出すのは、先生の優しい笑顔です。より良い学校生活を送ることができるよう、先生が、深い愛情をもって支えてくださっていたことを、僕たちは知っています。
 西村先生。毎日のように英作文の添削を行っていただくなど、本当にお世話になりました。先生の「いうていける」の言葉に、励まされました。先生が見せる学問への探求心には、刺激を受けました。
 田村先生。僕が古典で不安だった時、先生はいつでも相談に乗ってくれました。また、朝の7時半や9時学でも講座を開いて、精力的に古典を教えてくださいました。
 高木先生。僕たちの数学の成績が上がるように試行錯誤してくださり、添削も、積極的に引き受けてくださいました。数学に向き合うことができたのは、先生のおかげです。
 池田先生。文章の細部から文章を紐解いていく先生の読解法からは、文学の奥深さを学びました。先生は、特別授業の時間割を、夜遅くまで作ってくださいました。
 授業を担当してくださった先生方、講師の先生方。僕たちは、多くの方に支えられてきました。ありがとうございました。

 僕のことをずっと支えてくれた両親へ。
 お母さん。お母さんは今まで毎日朝早くから起きて弁当作ってくれ、他にも色んな面で支えてくれました。たまに勉強にも付き合わせたり、迷惑をかけましたね。これから先、時間が経つにつれて、さらにありがたさがわかるのだと思います。僕を産んでくれて、ここまで育ててくれて、ありがとう。
 お父さん。僕は、お父さんのことをすごく尊敬しています。坂本龍馬を目指して文武両道を極め、仕事も一つずつ丁寧にこなしていくお父さんの背中を、僕はずっと追いかけてきました。今日の僕の姿を見て、少しは自分に追い付いてきたなと、お父さんは、僕に言ってくれますか?

 12期生のみんなへ。みんなは、行事に対して本当に積極的でした。その思いは結果にも表れ、合唱コンクールは1~3位を独占。体育祭でも、優勝。一致団結した時の結びつきは、他のどの学年よりも増して強かった自慢の学年です。僕たちが共に過ごした宿泊研修は14回。日数にして79日もの長い時間をかけて、絆を深めてきました。受験期になり、互いに応援しあって頑張ったり、受験の時には、いろんな人から応援してもらったり、そうしたなかで、その絆の深さを改めて実感しました。卒業後は、それぞれが違う道を歩むことになりますが、僕たちがこの学校で、一緒に過ごした時間が、失われることは決してありません。

 在校生の皆さんへ。先ほどは、素晴らしい祝辞をありがとうございました。これからは、皆さんが、須磨学園の新たな伝統を創っていく主人公として、勇気をもって、何事にもチャレンジしてみてください。僕は、自分の関心が向くものに積極的に取り組むたび、成長してきました。行動すると、新しい現実が拓けてくるはずです。今の段階で大学の学問に興味があるなら推薦入試にチャレンジしてみてください。特別に強化したい分野があれば、先生から課題を渡されるのではなく、自分から課題をもらいに行ってください。行動すれば、助けてくれる人が須磨学園には必ずいます。長いようで短い学校生活。悔いの残らないよう、何事も行動し続け、存分に楽しんでください。

 僕たちは今日、須磨学園を卒業し、なじみの階段からは離れ、自分の理想像へつながる階段へと歩みを進めます。その途中ではおそらく苦しいこと、辛いこともあると思います。けれど、そんな中でも僕たちは須磨学園で培った経験を活かしながら、一段ずつ歩みを積み重ね、更なる高みを目指して、精進していくことをここに誓います。

 最後になりましたが、須磨学園の益々のご発展を祈念して、答辞の言葉とさせていただきます。

2021年3月6日 V2卒業生代表 田中 仁一郎