SUMA GAKUEN
学校法人
須磨学園
  • HOME
  • 2019年度高校入学式 理事長 式辞

2019年度高校入学式 理事長 式辞

 長く厳しい寒さが続いたこの冬でしたが、今日校庭の桜は皆さんがやって来られるのを待ちわびていたかのように満開に咲きほこっています。
 たった今、入学を許可された須磨学園高等学校共学21期生291名ならびに中高一貫13期生121名の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 私たちは皆さんのご入学を心待ちにしていました。これからの3年間どうぞよろしくお願いします。

 保護者の皆様、これからの3年間私どもはお子様の指導に全力を尽くして参ります。保護者の皆様のご理解、ご協力なくしては須磨学園の教育は成立致しません。皆様のご理解とご支援をいただきたくどうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて新入生の皆さん、平成最後の年そして令和元年に高校生活をスタートされる皆さん、これからの高校生活に期待と希望を胸にふくらまして入学してこられたと思います。最初に申し上げたいことは、これからの須磨学園の3年間は皆さんが次の段階に進まれるための準備の期間であるということです。
 3年もあると思われるかもしれませんが、3年しかないと思われる人もいらっしゃるかもしれません。限られた時間です。皆さんの可能性は無限に広がっていると思うのですが、皆さんのこの学校での時間は3年間という有限の時間です。ですから皆さん一人ひとりが抱いておられるそれぞれの目標が高い目標であり、そして日々の努力なくしては達成できないとするならば、どうぞ今決意をしてください。自分は目標を達成するために努力をする、目標を達成するための努力をするという決意をすることは、早ければ早いほうが良いと思います。志や目標は、高ければ高いほどやりがいがあります。もちろん、着実に足下を固めていくことは必要ですが、高い目標なくしてするべき努力は、具体的には見えてこないかもしれません。なんとなく過ごす3年間では、自分が掲げた目標を達成することは難しいと思います。

 須磨学園のテーマは自己実現です。「なりたい自分になる。そして・・・」をスローガンに掲げています。こうありたい自分になるということは、自分自身でお決めになることです。そしてなりたい自分になることは、自分だけで完結することではありません。こうありたい自分はどのように自分以外の人と関わっていくのか、社会の中で自分はどのような立場をとっていくのか、どのような役割を果たしていくのか、それについても考えてほしいと思います。須磨学園が皆さんに期待する学びのあり方は主体的な学びです。やらされるのではない、与えられるだけではない自らすすんで学ぶ学びです。自分から掴みにいく姿勢を期待しています。

 3年後ほとんどの人が大学の入学試験をお受けになられますが、実はその時すでに大学入試制度のあり方が変わっています。何が変わるかというと大学入試で問われる力が変わります。机に向かう学び、知識の定着と吸収。知識を使うことだけでなく、さらに深い学びの力が問われることになります。正解のない問いをどのようなアプローチで考えていくのか、目標に向かって自分はどのようなプロセスで実践していくのかという実践する力を問われます。それだけでなく皆さんの学ぶ姿勢も問われます。
 この大きな改革はなぜ行われるかというと世の中の変化とともに社会で必要とされる人のあり方が変わってきたからです。たとえば英語ですが、かつては英語は読み書きができればよかった。これは私の世代です。皆さんのご両親の世代では、読み書きだけでは足りない、リスニングの力もいるでしょう。そういうことでリスニングの力も問われました。皆さんが大学入試をお受けになられる時には、さらにスピーキングの力も求められることになります。社会や時代の変化とともにこのように問われる力も変わるものだと知っておいてください。

 今、皆さんの前に広がっている世界は広く、そしてこれから皆さんが登っていかれようとする山は高く、頂上に続く道は険しいかもしれません。その山道をみんなで登っていきましょう。より高く登れば、より広い世界が見えてきます。そして、より遠くまで世界が見えてくると思います。

 今から3年後、卒業を迎えられるころの皆さんにはどのような景色が見えているのか楽しみにしています。
 それでは、張り切ってスタートしましょう。

2019年4月6日 理事長 西 泰子