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2019年度中学入学式 理事長 式辞

 
         

 長く厳しい寒さが続いたこの冬でしたが、今日校庭の桜は満開に咲きほこっています。皆さんのやってこられる日を待ちわびていたかのようです。たった今、入学を許可された須磨学園中学校16期生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 私たちは、皆さんのご入学を心待ちにしていました。これからの6年間、どうぞよろしくお願いします。
 保護者の皆様にお祝いを申し上げます。ご子息、ご息女のご入学おめでとうございます。これからの6年間、私どもはお子様の指導に全力を尽くしてまいります。そして、保護者の皆様のご理解、ご協力なくては須磨学園の教育は成立いたしません。皆様のご理解とご支援をいただきたくどうぞよろしくお願い申し上げます。

 来賓の皆様、とくに久元喜造神戸市長、過分なお言葉を頂戴いたしまして本当に感謝いたしております。ありがとうございます。精一杯頑張ってまいりますので引き続きよろしくお願いいたします。これからの6年間、子供たちを暖かく見守り激励していただきますようお願い申し上げます。

 新入生の皆さんは、中学受験をするために一生懸命努力をしてこられました。その努力の結果として、須磨学園中学校の入学試験に合格されました。おめでとうございます。皆さんのこれまでの努力に拍手を送ります。そして、これから始まる中学校生活に不安と期待で胸をいっぱいにしておられることと思います。でも大丈夫です。最初はみんな不安です。皆さんがこの坂道と階段をしんどいと思わなくなる頃、その不安は解消されていることと思います。
 兵庫県下には36校の私立中学校があります。新入生の皆さんは、その中でこの須磨学園に進学することをお決めになりました。須磨学園は世間では厳しい学校やしんどい学校だと言われているようです。私たちは当たり前のことだと思っているのですが、外からすれば須磨学園は厳しくてしんどい、勉強が大変、行事が多い、制服をきちんと着ないと注意を受けると言われています。須磨学園中学校には須磨学園独自の校則があります。守っていただかないといけないルールもあります。制服がなくて校則もさほど厳しくない、自由な学校もあります。そのような別の中学校に行くという選択もあったはずですが、皆さんは須磨学園中学校を選ばれました。皆さんが選んだ須磨学園中学校は、皆さんを優しく育み導くだけでなく、厳しく鍛えることを考えています。なぜなら私たち須磨学園が目指すところは皆さんの持てる力を最大限に伸ばし、次の段階の教育を受けるにふさわしい知力と気力と体力の基礎をつくることだからです。ですから、こんなはずではなかったと後悔をしないように自覚と責任を持って学校生活を送ってください。

 これからの6年間は、皆さんが将来大学でさらに深く学ぶための準備期間であると位置付けています。それは同時に大人になって社会の中でよりよく生きていくために必要な力を蓄える期間でもあります。中学校では英語という教科が新しく入ってきます。英語の勉強は努力の積み重ねです。最初に怠けると後々厳しいとてもやっかいな教科です。でも英語は、将来皆さんが外国で勉強したり仕事をしたりする時に必要になってきます。英語ができるようになればとても楽しい。色々の国の文化に触れることができます。色々な国の人たちと話をすることもできます。英語の授業は予習をしてこないと意味がありません。復習をしないとできるようにはなりません。しっかりやってください。算数は数学と名前が変わります。知識のないままひらめきだけで数学の問題を解けることはあまりありません。他の教科も同様です。授業の予習と復習は当たり前のことです。気をつけてください。
 今まで皆さんの中には、人から与えてもらうことを当然のことだと思ってやってこられた方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。お母さんが朝起こしてくれるのは当たり前、テーブルに座れば温かい食事が出てくるのは当たり前、いつもきれいに洗濯された服が用意されているのは当たり前、自分は勉強さえしていればいい。そう思って過ごしてきた人はいませんか。受験を前にした皆さんは、それが許されてきました。でも、今日から皆さんは中学生です。中学生になったこの日を機会に、今日から少なくとも自分のことを自分でできるようになってください。少しずつでいいです。朝は自分で起きる、言われなくても学校に行く準備をする。大事なことです。自分の身の回りのことが自分でできるようになったら、今度は自分以外の人のためにできることをしてください。

 皆さんが須磨学園で過ごす12歳から18歳までの6年間は長い長い時間です。12歳の皆さんの1年の重さは私の5倍の重さです。
 今から皆さんは何者にでもなれます。何になりたいか、どういう人になりたいか、色々な機会にこれから考えてみてください。皆さんは何にだってなれます。皆さんがこうありたい、こういう人になりたいと強く思い決意すれば何者にだってなれます。何になりたいか、どういう人になりたいか、なかなか見えてこない人もいると思います。決まらない人もいると思います。それはそれでいいと思います。焦る必要はありません。ですから、そのために色々なことをやってみましょう。色々なところに行って色々なものを見る、色々な国の異なった考えを持った人たちと話をして、どんどん自分の世界を広げていきましょう。6年後にどのような道にも進めるように力をつけていきましょう。
 私たちの使命は皆さんを優しく育み導くだけでなく、時には叱咤激励しながら皆さんの進むべき道を示し、環境を整え、困難も喜びもともにしながら成長していくことです。ひたむきな努力を積み重ねてきた人たちにもたらされる深い喜びと満足を、ぜひ、皆さんに経験してもらいたいと思います。

 保護者の皆様、大切なご子息、ご息女を私どもに託していただくことに大きな責任と緊張を感じております。私たちはご子息、ご息女を全力でお育てし情熱を持って指導に当たらせていただくことを学園を代表してここでお約束申し上げます。

 それでは須磨学中学校16期生の皆さん、元気に出発しましょう。これからの皆さんの健闘と活躍を祈って私の式辞といたします。

2019年4月6日 理事長 西 泰子