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2019年度中学入学式 学園長 式辞

 ご入学おめでとうございます。

 今日のお祝いの言葉として、お願いを3つしたいと思います。

 1番目はいろんな事を嫌だと思わないでほしいということです。
 嫌だと思うとどうなるか。時間が過ぎるのがものすごく長くなります。入学式が嫌、テストの勉強が嫌、大嫌いな国語はもっと嫌。人間は嫌だと思うとストレスを感じて、時間が経つのが遅くなります。逆に、嫌だと思わなければどうなるか。嫌と思わなければ、時間はあっという間に過ぎてしまいます。だから、あまり自分が得意でない科目、できればしたくない科目の授業はどうしたら早く終わるのか。嫌だと思わないことです。自分で自分に対して嫌だと思わないという考えをしてほしいと思います。

 2番目は、失敗を失敗と思わないでほしいと言うことです。
 諸君らは、これからの6年間にたくさんの失敗をすると思います。人間関係、勉強、テスト、スポーツ…だけど私はあえて言いたい。失敗を失敗と思ってはいけないと。なぜか。失敗のことを思い出すだけでも、嫌になります。失敗のことを考え始めたら、体は硬直して、目は閉じて、体がプルプル震える。つまり、失敗を失敗と思って、自分で自分を責めることによって、できなくなってしまうことがたくさんあります。それは、失敗から学ぶということです。どうしてこんなことになってしまったのかということに対する、謙虚な振り返り、謙虚な学び、2度とこういうことをしないという決意、これらは失敗を失敗と認めないで学ぼうという気持ちからおきます。だから、大変奢った言い方、変な言い方かもしれませんが、失敗はただ上手くいかなかった実験と思ってほしいのです。化学や物理の実験で、燃えてしまったり、音がしたり、壊れたりして「ダメでした」という気持ちで失敗に直面したときに、失敗実験ノートを作ってほしいのです。なぜダメだったのかという、素直で謙虚な反省。これがあれば、次の実験は上手くいきます。だから、みなさん、失敗を失敗と思わないでほしいのです。失敗はただ上手くいかなかった実験と思ってほしいのです。

 3番目は友だちを作ってほしいということです。
 諸君らは6年間、須磨学園で過ごして、人生の1番大切な中学時代、高校時代を送るわけですが、是非たくさんでなくてもいいので友だちを作ってほしい。でも、友だちは廊下を歩いていたら天井から落ちてくるものではありません。教室から飛び出してくるものでもありません。通学の電車の中で、たまたま横に座っているものでもありません。もし諸君らが、友だちがほしいと思うなら、勇気を出して「僕の友だちになってください」「私の友だちになってください」と自分から声を出してお願いされることを勧めます。そのためには何が必要か。少しばかりの勇気と「友だちを大切にする」という自分の決意です。そして、ちょっと恥ずかしいさっきの台詞を友だちになってくれそうな人に言う勇気を持ってください。だから、入学式が終わってから、今日から友だちを作るような努力をしてほしいと思います。

 中学の勉強は総括的な勉強ということで年をとったら忘れます。大学の勉強は、高校の勉強のようなテクニックの勉強ではありません。だけど、大学に行っても社会人になっても、年をとっても忘れず、なくならないのは友だちです。

 だから、いい勉強をして、いい友だちを作ることをこれからの6年間でしてほしいと思います。

            

2019年4月6日 学園長 西 和彦