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2016年度高校入学式 理事長 式辞

 先ほど入学を許可された、須磨学園高等学校18期生ならびに中高一貫10期生の皆さん、皆さんのご入学を心より歓迎します。私たちは、皆さんが入学される日をお待ちしていました。おめでとうございます。保護者の皆様、ご子息ご息女のご入学を心よりお喜び申し上げます。大切な子供さんをお預かりさせていただく責任を重く受け止め、全力で指導に当たらせていただきます。ご来賓の皆様方、ご多忙の中、ご臨席を賜りありがとうございます。これからの3年間、どうぞ生徒達を温かく見守り、激励していただきますようにお願い申し上げます。

 さて、15歳の春を迎えられた新入生の皆さん、9年間の義務教育を終えて、これから始まる高校生活に対して不安と期待で胸をいっぱいにしておられることと思います。最初は、いつも誰もが不安になるものです。皆さんがこの坂道を登ることが苦にならなくなったときに、この不安が解消されているでしょう。ところで、兵庫県下には200校を超える高等学校があります。新入生の皆さんは、その数ある高等学校の中で、この須磨学園に進学する道を選びお決めになられました。ご存知のように、須磨学園は世間では厳しい学校、しんどい学校だと言われているようです。中にいる私たちにとって、また中高一貫10期生にとっては既に当たり前のことになってしまっているようですが、坂道がしんどいだけでなく、夏休みや冬休みが短い、土曜日も学校がある、勉強が大変、校則が厳しいなど、制服がなくて校則もさほど厳しくない自由な学校もあります。そのような学校に行くという選択もあったはずですが、皆さんはこの須磨学園で3年間を過ごすことをお決めになりました。私たちはすごくうれしく思っています。須磨学園には、須磨学園独自のルールがあります。自分の意思で決めた学校ですから、責任と自覚をもってこれらに対応していただくことを期待します。

 私たちは、皆さんのこれからの3年間は、将来大学でさらに深く学ぶための準備期間であると位置づけています。そして、それは同時に、皆さんが大人になってから、社会の中でよりよく生きていくために必要とされる知識・知恵や人としての在り方を確立する期間であるととらえています。中学校では、与えられた問題を解くために、より多くの知識を吸収しなければならないといけなかったと思います。また、特定の分野で突出することよりも、色々な科目で万遍なく良い点をとるための指導が行われていたと思います。皆さんが3年後に受ける大学入試においても、5教科7科目または8科目の試験があり、多くの知識が問われることになります。しかし、その2年後の2020年から大学入試の在り方が変わります。なぜかというと、今の社会が必要としている人は、万遍なく物事ができて、知識を持っているだけの人ではなくなったからです。今の社会が求める人はどういう人かというと、どこの大学を卒業したかということではなく、課題を探究する力をもつ人、そして、その上に専門的な能力や技能を求められる人です。つまり、自分自身で問題を見出して、解決していくことのできる力のある人が求められることになるわけです。その上に専門性を身につけた人が求められています。
 社会が変わるにつれて、求められる人は変わってきます。しかし、私は求められる人になることも大切だとは思いますが、須磨学園でやっていただきたいことは、皆さん一人ひとりがこうありたいと思う自分になること、自分自身が求める自分になることを実現していっていただきたいと思います。皆さんがこうありたいと思う自分になること、そして社会とどう関わっていくかを考えて頂きたい。皆さんは、自分自信の夢や目標に近づくためには苦しいことや悲しいことを嫌だと思わずに、それを乗り越えて挑戦する精神をお持ちだと思っています。ですので、私たちの使命は、皆さんを優しくはぐくみ導くだけでなく、ときには叱咤激励しながら皆さんの進むべき道をともに考え悩み、環境を整え、困難も喜びもともにしながら成長していくことです。ひたむきな努力を積み重ねた人にもたらされる深い喜びと満足を皆さんに経験していただきたいと思います。

 15歳の皆さんの前に広がる世界は広く、皆さんがこれから登ろうとする山は高く、そして、頂上に続く道は険しいかもしれません。その山道をみんなで登っていきましょう。より高く昇れば、より広い世界が見えてきます。そして、より遠くまで世界が見えてきます。3年後の皆さんに、どのような景色が見えているのか楽しみにしています。

 それでは、新入生の皆さん、元気ではりきって出発しましょう。これからの皆さんのご健康とご活躍を祈って私の式辞とさせていただきます。

2016年4月9日 理事長 西 泰子