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2016年度2学期終業式 理事長 訓話

 おはようございます。今日は2学期の終業式です。長い学期でした。数多くの行事をこなし、学習に取り組み、実りの多い学期だったと思います。ようやく迎えた日です。冬休み中の過ごし方については、担任の先生や生徒指導部の先生からお話があると思います。節度をもって、有意義で楽しい時間を過ごしてください。V2、K3学年の皆さんは休み返上で入試に備えられると思います。どうか体調管理に気をつけてください。ここからは、知力というよりも体力と精神力の勝負です。健闘を祈っています。

 私が今からする話は、実は冬休みとはあまり関係の無い話です。リラックスして聞いてください。

 先日、ある塾を訪問しました。名前を聞けば、ほとんどの方がご存知の塾です。その塾の先生から聞いた話をします。その塾では、その塾出身の大学生を招いて、塾生の小学生たちに、自分たちが通っていた中学校・高等学校の生活について、ざっくばらんに話をする座談会をしておられました。その座談会には、須磨学園の卒業生も出席していました。皆さんの先輩ですね。私は、「本校の卒業生は何をどのように語ったのでしょうか。」と聞きました。皆さん、先輩達は何を言っていたと思いますか。在学中には気づかなかったことらしいです。卒業生たちは、口々に、卒業してから分かったことだけどという前置きとともに、「私達は恵まれていたと思った」と言ったらしいです。嬉しいコメントではありますが、在学中は当たり前だと思ったことが、実は当たり前ではなかったらしいです。何に恵まれていたかというと、学習環境です。卒業生たちが他の高校の生徒に話を聞くと、受験勉強は自分でやらないといけなかったらしいです。例えば、勉強するにあたって、参考書や問題集の中で、何が良いのか調べるところから始めないといけないらしいです。「自分たち須磨学園生は、教材は当たり前のように用意されていた。先生から与えられていた。自分からつかみにいかなくても、あらかじめ用意されていた」と言うのです。過保護な環境です。その卒業生は、「中学生のときはそれでよかった。でも、高校2年生からは、もう少し自由があって、自分で学ぶ機会があればよかったかもしれない」と言っていたそうです。でも、後にならなければ分からなかったことです。
 先生たちは皆さんに与えすぎているのかもしれません。先生たちは、「自分でやりなさい」と言いながらも、絶え間なく働きかけをしているのかもしれません。皆さんの中にも自分から先生に働きかけて学び取ろうとする人はいます。でも、多くの人達は与えられることに甘んじている。自分からつかみにいく貪欲さを身につけることが、皆さんには必要だと思います。そのためにどうすればよいか、ということを考えていただいて、この冬休みに、2日か3日くらいは自らの学びを実践してほしいと思います。

 以上で私の話は終ります。新学期に元気な顔を見せてください。では、良いお年を。

2016年12月24日 理事長 西 泰子