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2018年度高校入学式 学園長 式辞

 ご入学おめでとうございます。今日のお祝いの言葉を準備しましたが、紙に書いたものを読まないで先ほどから考えていたお願いを3つしたいと思います。これをもって、話にさせていただきたいと思います。入学式の日から、こうしろああしろとお節介なことを言うのは気が進まないのですが、3つのことをお願いしたいと思います。

 1番目は、色んなことを嫌だと思わないでほしいということです。嫌だと思うとどうなるか。時間が過ぎていくのがものすごく長くなります。入学式が嫌、テストの勉強が嫌、大嫌いな国語は嫌。嫌と思うと、ストレスを人間は感じて、時間が経つのが遅くなります。逆に、嫌と思わなければどうなるか。嫌と思わなければ、時間はあっという間に過ぎてしまいます。だから、あまり自分が得意でない科目、できればしたくない科目の授業はどうしたら早く終わるのか。嫌だと思わないことです。自分で自分に対して嫌だと思わないで良いという考えをしてほしいです。

 2番目は、失敗を失敗と思ってはいけないということです。諸君らはこれからの3年間にたくさんの失敗をすると思います。人間関係、勉強、テスト、スポーツ・・。だけど私はあえて言いたい。失敗を失敗と思ってはいけないということです。なぜか。失敗のことを思い出すだけでも嫌になりませんか。失敗のことを考え始めたら、体は硬直して、目は閉じて、体がプルプル震える。つまり、失敗を失敗と思って自分で自分を責めることによって、できなくなってしまうことがあります。それは、失敗から学ぶということです。どうしてこんなことになってしまったのかということに対する謙虚な振り返り、謙虚な学び、2度とこういうことをしないという決意、これらは失敗を失敗と認めないで学ぶという気持ちからおきます。だから、大変奢った言い方、変な言い方かもしれないが、失敗は上手くいかなかった実験と思ってほしい。化学や物理の実験で、燃えちゃったり、音がしたり、崩れたりして、「ダメでした」という気持ちで、失敗に直面したときに実験ノートを作ってほしい。なぜダメだったのかという素直で謙虚な反省、これがあれば次の実験は絶対に上手くいきます。だから、失敗を失敗と思わないでほしい。失敗は上手くいかなかった実験と思ってほしいのです。

 3番目は、友達を作ってほしいということです。諸君らは3年間須磨学園で過ごして、人生の一番大切な素晴らしい高校時代を送るわけですが、是非たくさんでなくてもいいので友達を作ってほしい。でも、友達は廊下を歩いていたら天井から落ちてくるものではありません。教室から飛び出してくるのでもありません。通学の電車の中で横に座っているのでもありません。もし諸君らが友達が欲しいと思うなら、「僕の友達になってください」、「私の友達になってください」と自分から声を出してお願いされることを勧めます。そのために何が必要か。それは友達を大切にするという自分の決意です。そして、ちょっと恥ずかしいさっきのせりふを友達になってくれそうな人に言う勇気です。だから、入学式が終わってから、今日から友達を作るような努力をしてほしいと思います。高校の勉強は、総括的な勉強、受験の勉強ということで年をとったら忘れます。大学の勉強は、高校の勉強のようなテクニックの勉強ではありません。だけど、大学にいっても社会人になっても、年をとってもなくならないのは友達です。だから、いい勉強をして、いい友達を作ることを3年間でしてほしいと思います。

2018年4月7日 学園長 西 和彦