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2017年度2学期終業式 学園長 訓話

 おはようございます。

 2学期の終業式にあたり、2つのことをお話したいと思います。

 1つ目は、反省です。須磨学園は、「なりたい自分になる」といって、自己実現を一番大切なものとして進めてきました。それについては反省することはないのですが、あまりに自己実現に重きを置きすぎた感じがします。目の前の勉強、仕事に集中しすぎて、別の問題が起きています。そのことに気がつきました。学期に1回やるxyzT、PQRS、つまり、心の持ち方と品質や量の追及、他者との関係、奉仕という、心とその周りにあるものについての考え方が進んでなかったということに気がつきました。
 須磨学園は進学校になって、勉強やクラブ活動に一生懸命で、須磨学園の教育の中に、「正しいことは正しい、いじめは許さない、優しい心を持つ、暖かい心を持つ、大きな心を持つ」という教育が徹底されていなかったと思います。勉強だけができていいはずがないと思います。勉強しかやらない学校であるならば、学校という看板を捨てて、塾や予備校になればいいと思います。我々は決してそんな組織ではありません。勉強だけでなくもっと大切なことがあります。一人ひとりの心がどうなければならないか、一人ひとりが自分とクラスのみんな、家族のみんな、社会のみんなとどう関わっていけばいいかをじっくり考える時間をしっかり持たなければならないと思います。
 そのための第一弾が、始業式の日にする書初めです。諸君らは、書初めをきれいな字を書けばいいと思っていませんか。お手本があって、お手本のきれいな字をそのまま写して理事長賞をもらって喜んでいませんか。内容が何も無い空っぽな言葉をきれいな字で書く虚しさを感じて欲しいと思います。汚い字ではよくないけれど、中身のこもった、自分が本当にその年に実現したいと思う内容を書いてほしい。1月の始業式の私の話の後に諸君らにお願いしたいことは、まずxyzT、PQRS、PMTMをしっかりやり、そこで考えたことを自分だけでなく他の人と話をしてもらいます。それから書初めをしてもらいたい。そういうことにしました。各クラスの担任の先生方は、ご自分のされた書初めをクラスの黒板の上に貼っていただきたい。クラスの方針はこうすると発表してほしいと思います。
 まとめとして、明日から始まる冬休み、1月の始業式までの日は、この心の持ち方をどう考えるのか、来年に向けて、PQRSをどう考えるのか、PMTMをどう考えるのかをしっかり考えてほしいと思います。普段は忙しくて考えることのできない大きな一年の計画、ひいては大きな一人ひとりの未来の人生への思い、そういったものを一日少しの時間でもいいから考えて、やってみてください。
 皆さん、考えるという事を本気でしたことはありますか。毎週1時間、PMとTMをする。それが考える時間と思っていませんか。違います。本当に考えるということは、朝起きてから考える、昼ごはんを食べても考える、晩御飯を食べても考える、寝ながらでも考える。それを何日も何日も続けるということが、本当に考えるということです。しっかり考えるということをやってみてください。ただし、高校3年生の諸君らはそういうことをしなくてよいです。受験に向けて各自の取り組みをしてもらえれば結構です。合格したら、今までやってこなかった積み残しの未来を考えることをして欲しいと思います。

 2つ目の話は男子の陸上競技部についてです。今年、男子の陸上競技部が年末の全国高校駅伝に出場します。24日のお昼からです。今、彼らは、毎日京都で練習をしています。「今日は早く走れた」、「今日はぐっすり寝られた」と、毎晩、山口監督から電話が私のところにかかってきます。山口監督は「優勝する」とは言わないけれど、本当に頑張っていることが伝わってきます。「女子の陸上部が今年はいけなくて、その分まで背負って京都を走る」と言っています。皆さんに是非お願いしたいことは、実際に彼らが走っているときに、テレビを見ながら応援してほしいということです。声を出して応援することだけが応援ではなく、「頑張ってほしい」、「勝って欲しい」、「日本で一番になってほしい」と一人ひとりが心の底から思うとき、その思いは一つになって、陸上競技部の選手の背中を押すと思います。だから是非24日にテレビを見て、一人ひとりの須磨学園生が彼らを応援してほしいと思います。応援よろしくお願いします。

 以上で私の話を終わります。

2017年12月22日 学園長 西 和彦